わしが乗っておった船には、朝ごはんの時間に、ひとつだけ決まりがあった。

仕事の話は、しない。

昨日見た雲の形、港で食べた魚の話、だれかの寝ぐせ。そんな話で、みんなよう笑っておった。

ふしぎなものでのう。朝に笑い合った日は、昼の仕事で声をかけやすいんじゃ。「ここ、見てもらえんか」「ちょっと手を貸してくれ」。そのひと言が、すっと出る。

大事な確認ほど、ひとりで抱えると見落とす。気軽に声をかけ合える船は、見落としが少ない。わしは、そう思うておる。

仲間づくりは、むずかしく考えんでよい。お昼にとなりの人へ「それ、おいしそうですね」と話しかける。それくらいで十分じゃ。

笑い声のある船は、よく進むぞ。

みなとくん明日、先輩をお昼ごはんにさそってみます! なんだか、わくわくしてきました!
あんぼう船長よいのう。うまい店を見つけたら、わしにも教えておくれ。